第158章 あの男は誰?

南坂海乃は頭が割れそうだった。

昨夜の男を一刻も早く見つけ出して、口を塞がなければならない。あれは事故だったのだから。

それに――山﨑拓術。

あの狂人、よくも自分にまで手を伸ばしたものだ。

南坂海乃が階下へ降りた、ちょうどそのとき。

反対側の階段から野口颯汰が上がってきた。手には朝食の袋。ドアを押し開けた瞬間、室内に「誰かが動いた」気配が残っているのに気づく。

胸がざわついた。

足早に寝室へ向かう。けれど、そこには――誰もいない。

南坂海乃は、もう出ていっていた。

野口颯汰は黙り込んだ。落胆は隠しようもなく、顔にそのまま出る。

朝食をテーブルへ置く。それでも心のどこかで、...

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